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「しかし、アルス殿に大したもてなしもできなかったのが残念だ。手土産でもお持ち帰りいただきたいんだが、何か望まれるものはないか」
「そうだな、それなら迷惑ついでにひとつ、このくらいの」
とアルスが自分の指を曲げて大きさを示す。
「琥珀を探してもらいたいんだが」
「…琥珀? 婚約の印に贈るおつもりなら、少々地味な宝石ではないか」
「御隠しという儀式に使うものだ。ある程度大きさのある石なら何でも構わないんだが、私は琥珀がいい」
いつもこちらを見ているセリューナの瞳は、あの宝石にとてもよく似ている。
「それと、アルス一族は華美なものをあまり好まない。できれば装飾がないものを探してもらいたい」
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