プロローグ

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1-2 「しかし、アルス殿に大したもてなしもできなかったのが残念だ。手土産でもお持ち帰りいただきたいんだが、何か望まれるものはないか」 「そうだな、それなら迷惑ついでにひとつ、このくらいの」  とアルスが自分の指を曲げて大きさを示す。 「琥珀を探してもらいたいんだが」 「…琥珀? 婚約の印に贈るおつもりなら、少々地味な宝石ではないか」 「御隠しという儀式に使うものだ。ある程度大きさのある石なら何でも構わないんだが、私は琥珀がいい」  いつもこちらを見ているセリューナの瞳は、あの宝石にとてもよく似ている。 「それと、アルス一族は華美なものをあまり好まない。できれば装飾がないものを探してもらいたい」
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