プロローグ

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1-5 「いや、子供を産めない女や、女を守る能力のない男にとってはいたたまれない。ましてや長は、妻や子供より一族を常に優先してきた歴史がある。女にとってこれほど価値のない男はいない」  だからこそ、セリューナが好きだと言ってくれた時、そんなことはあるはずがない、と思った。  しかし、その想いが真実だとわかったとき、まるでそうすることが当たり前のように口づけていた。  あれから何がどうなって、これほどの感情に育っていったのだろう。 「一族すべての女を妻にしてやる義務もなかろう。お気にされることではない」 「それもそうだな」 「しかし、本当にお帰りになってしまわれるのか。忍びでお二人に街を散策してもらおうとも考えていたんだが」 「それは…魅力的なお話だな」
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