割れた爪

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 夕暮れ。 俺は読んでいた本を静かに閉じた。  暖かい風が入ってくる窓からは運動系の部員達が校庭整備をしているのが見える。  毎度毎度ご苦労様なことだ。  俺は自分の席から立ち上がり、読んでいた本と机に入っている教科書などをリュックサックに詰めた。  この教室には誰もいない。  俺はいつもこうやって放課後の教室であいつを待っている。  俺の席は窓際の後ろからニ番目だ。そして、俺の後ろの席に置いてある可愛いらしい花柄のトートバックを持つ。
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