割れた爪

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「なにしたんだよコレ……」 「親指の爪割れた」 「だから、なにして割れたんだよ?」 「むしゃくしゃしてヤった。割るつもりはなかった」 「どこの犯罪者だ」  ばしっと頭を叩くと由佳は苦笑いをした。  彼女、橘 由佳は俺の幼なじみだ。幼なじみと言ってもこの高校に入って久しぶりに再開した。小学三年生まで一緒にいたのだが、由佳が家の事情で転向した。そしてこの春から由佳はこの美鹿野町に戻ってきた。  最初はびっくりしたが、今ではこうやって一緒に帰るようになっている。
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