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「まぁー、お陰でオレは、愉しい発禁エロネタが描けて嬉しかったんだぜー?
勿論、オマエを素にした最高のヤツだ。イケメンが掘られちまうなんて、世の腐女子達が喜んで食いつくもんだよなー!」
態と洋一の目の前で、手にしていたスケッチブックをパラパラとめくり、彼女は不穏に嗤って、洋一を横目で見た。
「やめてくれェェエ!!」
洋一は悲鳴を上げた。
恵分の期待を損ねると、彼女の新作18禁BL本のネタとして、それの受側の登場キャラの素にされる(キャラのイラストも本人に似せている)。
そして、その出来上がった作品が、世の中の恵分作品を楽しみとしているファン達に届けられてしまうという、彼女なりの処刑が待っている。
この処刑は二段階で構成され、まずは、大学内で発行される漫画専攻の生徒書き下ろしの月刊誌に載せられる。
それから次に、同人本として更に書き加えたものが発行され、コミケやネットで売り出されて広まる仕組みになっている。
その仕組みの一段階目が、大学内にある購買で売られることなのだから、ネタにされてしまった人物は、大学内の腐女子達に、邪[よこしま]な目で見られては、新たな羞恥作品やら妄想の対象となってしまうのだ。
「洋一、ここは漢らしく腹を括って諦めるんだな。
オマエが、二週間弱もオレへのイベント内容報告を放置した為に、こおんな恐ろしい結果になっちまったてよ。
フッwwマジ自業自得だぜwwクッソワロスwwww」
「ぐぅおォォオ……!」
もはや終了フラグだった。
洋一は、絶望に両手で頭を抱え、その場でガクリとうなだれた。
明日から、新たに腐女子達の格好の的になる。それを想像するだけで、目の前に広がる明日の生活が真っ暗だ。
「あっれー?洋一、やっぱり恵分ちゃんの処刑を受けることになったんだー」
「う……」
「いよぉう、アスナ。遅かったじゃねぇかよ」
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