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ピピッ……、ピピッ……
目覚まし時計が鳴り響く、早朝の午前7時。
「ん~……、あともう少しだけ……」
眠っていた洋一は、もぞもぞと布団の中で身体を動かし、其処から伸ばした右手で、鳴り響く目覚まし時計のアラームを止めると、再び布団の中にその手を戻した。
「う~ん……」
そして、洋一が再び幸せそうに眠り出した。その刹那、
バタァンッ!!
「おはようごぜぇます。兼城 洋一くん」
守政が豪快に洋一の部屋のドアを開け放ち、仁王立ちに拡声器を持った出で立ちで、洋一がいるベッドを見た。
起きる気配が全く無い。
守政は片眉を吊り上げると、スタスタとベッドへと向かう。
「寝てんな?」
そして、耳を澄ませて無表情で軽く頷くと、そのまま布団に潜っている洋一の腹部目掛けてエルボーを噛ました。
ドスッ!
「だぐはァッ!」
強烈なエルボーに、洋一が布団を跳ね退けて飛び起きると、守政は素早く洋一から離れて、無表情のまま洋一の顔を見つめた。
「バディとして、アンタを起こしに来てやったぜ」
「何処に、攻撃噛まして起こすバディがいるか!」
「此処にいンだろ?俺が」
何気なさそうに答える守政に、洋一は少し苛立つと、ベッドから降りて彼に近付き、左手で右頬を摘んで引っ張り上げた。
「お前、一昨日、俺が疑ってた事に相当恨みでもあるんだろ?」
「うひゃんへねぇよ。ハカじゃねぇの?…」
彼が半目になって受け答え、自分の頬を摘み上げる洋一の手を強く叩くと、ヒリヒリと痛む頬を摩りながら言い出した。
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