屍の宴

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しかし、サラには愛していた人がいた。 世界で一番大好きな……サラの彼氏だった。 彼の名前はジオ。戦闘時の眼光や覇気、使う魔法が水ということから水狼と呼ばれている。世界一の武力を持つタルバンの2番隊隊長だ。 強くて、優しくて、サラのことを大切に思ってくれた。ジオがいなければ生きていけないと、真剣に思った。 でも実際はこうして生き長らえている。 ジオの幸せを願っているからだ。ジオが幸せならサラはどんなことでも耐えられる。 誰かを愛して、誰かと結婚して、誰かと子供を育てて……そうやって幸せに暮らしてほしい。 すべてサラの夢だった。それでも、ジオが幸せならと夢を捨てた。 そのジオが、サラをすぐに諦めるとは思えないから心配なのだ。
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