ハンバーグと砂糖菓子

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今日、仕事で親子を殺した。 父親がターゲット。それしか知らない。知る必要もないし。 馬鹿みたいに広い庭の草むらに隠れて、殺すタイミングを狙っていたら、あいつら夕飯の支度を始めたんだ。 湯気の上がるボウル。体に良さそうなサラダ。盛大なハンバーグ。 胸糞悪くなるような皿が乗ったテーブルを父親、母親、子供で囲み幸せそうに話をする。 まるでハッピーなホームドラマのワンシーンだ。 「ママン」 子供の声が母親を呼ぶ。母親は子供の話に耳を傾け、笑顔で頷いた。 そこまで見て、俺は窓の隙間からサイレンサー装備の銃を、部屋にねじ込んだ。
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