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「あー……。」
「ほら、もうすぐ着くよ、しっかりして。」
閉店ギリギリまで飲みまくって、すっかり酔った俺を、真宮が支えながら送ってくれる。
真宮の肩に腕をまわして、背ぇちっちぇえなあ、なんて考えていた。
「毎度のことながら、飲みすぎなんだよ、浅倉さん。」
もうちょっと節度のある飲み方しないと、俺もう知らないよ?なんて言いながら、それでも俺を介抱してくれるのだから、なんとも良いやつだ。
「やあー…、真宮がいるから、つい甘えちまうんだろうなあ。」
「なあに、迷惑だよ、それ。浅倉さん送るのだって、疲れるんだからね。」
確かに、がたいのいい男を引きずって帰るには、真宮はちょっと、小さすぎるだろう。
毎回こんな酔っ払いを見捨てないでいるんだから、大変だよな、感心するな、なんて、まるで他人事の如く思った。
「あれだ、俺が女だったら、真宮と付き合いてえよ。」
「……はいはい、女の子だったら良かったね。」
俺は、女の子の浅倉さんも、藍原さんも、どっちも嫌だけどね、と吐く真宮を見て笑う。
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