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「モテモテだなあ、真宮くん。」
「嬉しくないねえ、浅倉さん。ほら、着いたよ。」
真宮が、俺から離れる。
おお、と返事をして、鍵を見つけるべく、鞄の中をあさった。
「じゃあ、お休み、浅倉さん。」
「うん、お休み。」
鍵を握った拳を振れば、真宮は呆れたように笑いながら、ひらひらと手を振り返してくれた。
パタンと閉められた扉を見つめた後、俺も寝よう、と、自身の部屋へと入った。
(浅倉さんは、ずるい。)
(その気がないくせに、期待させるようなこと、言わないでよ。)
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