1.

8/8
前へ
/67ページ
次へ
「モテモテだなあ、真宮くん。」 「嬉しくないねえ、浅倉さん。ほら、着いたよ。」 真宮が、俺から離れる。 おお、と返事をして、鍵を見つけるべく、鞄の中をあさった。 「じゃあ、お休み、浅倉さん。」 「うん、お休み。」 鍵を握った拳を振れば、真宮は呆れたように笑いながら、ひらひらと手を振り返してくれた。 パタンと閉められた扉を見つめた後、俺も寝よう、と、自身の部屋へと入った。 (浅倉さんは、ずるい。) (その気がないくせに、期待させるようなこと、言わないでよ。)
/67ページ

最初のコメントを投稿しよう!

77人が本棚に入れています
本棚に追加