77人が本棚に入れています
本棚に追加
「好きなんです。浅倉さんのこと。」
まっすぐに、背中めがけて投げつけた言葉。
振り向いたその人は、真剣な俺の瞳を捕らえて、何を思ってくれただろう。
溢れるくらい好き。零れるくらい好き。
でも、足りないくらい、愛してる。
「浅倉さ……、」
「え、真宮って、まじでホモなの?」
正直、引くよ。
「近づかないでくれない?」
無邪気なまでに笑っている浅倉さんの言葉は、抉るように俺を突き刺した。
浅倉さんは、いつものように笑っている。
声は、俺を殺す。
これは、誰の声?
初めて言われる訳じゃない。
「気持ち悪いから、俺の前から消えてよ、真宮くん。」
聞いたことのある台詞。
嗚呼、浅倉さんまで、俺を、拒否して、拒んで、忌避して。
俺はまた、この言葉に、殺される。
2.
最初のコメントを投稿しよう!