2.

3/7
前へ
/67ページ
次へ
あまりの息苦しさに、飛び上がるように目が覚めた。 浅い呼吸を繰り返して、落ち着いた頃、流れる涙に気がつく。 「―………。」 大きく息を吐いて、乱暴に涙を拭う。 寝汗の不快感と泣いている自分の惨めさに苛立つ。 嫌な夢っていうのは、どうして、こんなに、頭の中に巣食うように脳の中で何度も再生されるのだろう。 忘れたくても、忘れられない。 『気持ち悪い。』 反芻された凶器が、こだまするように鳴り響く。 「―っああ、もう!!」 バフっと、力任せに枕を壁に投げつける。 ずるりと落ちた枕を拾って、これでもかというほど力いっぱいに抱きしめた。 そのまま、枕を抱え込むように丸まる。 「……そんなの、分かってるよ…。」
/67ページ

最初のコメントを投稿しよう!

77人が本棚に入れています
本棚に追加