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あまりの息苦しさに、飛び上がるように目が覚めた。
浅い呼吸を繰り返して、落ち着いた頃、流れる涙に気がつく。
「―………。」
大きく息を吐いて、乱暴に涙を拭う。
寝汗の不快感と泣いている自分の惨めさに苛立つ。
嫌な夢っていうのは、どうして、こんなに、頭の中に巣食うように脳の中で何度も再生されるのだろう。
忘れたくても、忘れられない。
『気持ち悪い。』
反芻された凶器が、こだまするように鳴り響く。
「―っああ、もう!!」
バフっと、力任せに枕を壁に投げつける。
ずるりと落ちた枕を拾って、これでもかというほど力いっぱいに抱きしめた。
そのまま、枕を抱え込むように丸まる。
「……そんなの、分かってるよ…。」
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