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「それ、チョコなんじゃねぇの?」
「え、ちょっと待って。なんで爽哉…」
「なに。俺いちゃ悪い?」
「そ、そういうわけじゃないけど…、」
「ならいいじゃん。それより。それチョコじゃねぇの?」
「え。それって……」
爽哉の視線の先を辿れば、あの例のチョコ。
あたしは、サッと後ろに隠した。
「え、いや、その……」
「ちょ。なんで隠すんだよ。」
「いや。対したものじゃないし。」
「いやいや。そんな問題じゃないだろ。」
一歩一歩ゆっくりとあたしに近付いてくる爽哉。
いつの間にかあたしと後ろの壁に距離はなくなっていて、ゆっくりあたしの顔を覗き込んだ。
「ねぇ。それチョコ?」
「……………うん。」
負けた。完璧に負けた。
彼の、懇願する顔は、
ーーー反則だ。
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