-プロローグ-

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 男に生まれて十数年、絶対着ることの無いと思っていたかわいい洋服。  絶対無縁だと思っていた化粧。  それを身に付け鏡に写る自分はまるで女の子。  指示された通りポーズして表情をつくってカメラのフラッシュを身体いっぱいに浴びる。  いつからかこんなことが慣れてしまった。  いつからかこんなことが当たり前になってしまった。 ───気分屋な妹の身代わり。  こんなんスッゴく嫌だし、バレたら洒落になんないといつも内心怯えまくり。  だけど、あの人にまた会えると信じて俺はカメラに笑いかける。  
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