第2話 -変化-

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ガッタァァァッン!!  ニギニギ動かしながら自分の掌を見つめていると、突如響いた凄まじい音。  ビックリしてその音源を探せば、床にしりもちをつき、俯くこーたくんとその傍らには倒れた椅子。  チラリと見えた髪の隙間から覗く顔はものすごく真っ赤だった。 「ぁ……えと、凄い音、スミマセ……」 「そんな事より!こーたくんは大丈――」 「こーた、大丈夫か?」  差し出そうとした俺の手よりも先に、横から伸びてきた手がこーたくんの腕を掴んで立たせる。 「うおっ!シゲ……へへへ、大丈夫。ありがとう」 「ん」  柔らかく笑う茂希くんは、ポンポンッとこーたくんの頭を数回叩いて、子供扱いすんなっと手加減無しに払われている。  そんなやり取りをボーっと眺めていると、蘭夏くんが近くにやってきた。  その表情はいつもの微笑みとは打って変わって、とても冷たい。 「高屋敷さん」 「何かな?」  後ろの二人には聞こえないようにか、ぐいっと顔を近付け喋る蘭夏くん。  お互いの顔の距離は僅か数センチ。  じっくり観察するように蘭夏くんの顔を眺め、整った顔だなー。うっわ、まつ毛なげっ!とか場違いな事を考えながらも、話は聞く。 「あなたにその気が無いのなら、こーたを期待させるような事はしないでください」 「は……?」 「あの子が可哀想だ」  それだけ言うと、俺に反論の余地も与えずじゃれている二人の元へ行ってしまう。  俺はその背中をポカーンと見送るしかできなかった。
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