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頭の中は、ぐるぐる回る蘭夏くんの言葉を理解、整理しようと必死だった。
期待させるような事って……は?
ただのスキンシップじゃん、え?なに、こーたくんが俺に懐いてくれてるのはわかってたけど、それって前のドラマの兄弟設定からの延長線じゃないの?
んんん……意味わからん。
今、ここが人の居ない空間だったら突然叫びだしたいくらい頭の中はパニック状態だった。
それと同時に、未だ自分の格好について聞けてないことに気付いた。
「………」
こーたくんのことは考えてもキリがない。
そう思うと、切り替えは早く誰か衣装について感想を言ってくれそうな人はいないかと見回すが、これといってピンとこない。
スタイリストさんは手が離せそうにないし、そもそも知らない人ばかりで声を掛ける気にもならない始末。
うーむ……と悩んだ末に思い付いた名案を実行すべく、脱いで机の上に置いてあったジャケットから携帯を取り出した。
そそくさと全身鏡の前に移動すると、鏡に映る自分を携帯で撮影する。
はたから見ればかなり痛い人だが、周りの目など気にならないぐらいノリノリで、今撮ったばかりのものをメールに添付し送信。
時計を見ると一時近くで、ちょうど昼休憩中だろうか。そんな事を考えながら返事を待った。
送ってから五分も経たないくらい。
いきなり振動しだした携帯にビックリしたが、その返事の早さにも驚いた。
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