第2話 -変化-

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 返事こねぇぇぇっ  さっきは結構早く返ってきたのを考えたら……やっぱり文、失敗したか。  あらためて送信ボックスから送ってしまったばかりのメールを呼び起こし、見てみる。 「………」 パタン  ………うん。失敗したわこれ。  無言で携帯を閉じ、少し凹みながらもこれ以上待っても無駄だと諦め、元あったジャケットのポケットへ戻した。  今日はサイズ確認とイメージの確認だけらしく、スタイリストさんにチェックして貰い問題ないようなら帰ってもよいとのことで、俺は早々にokと絶賛の嵐を有り難く頂いた。 「もっ、さすがまといちゃん!スーツもすんごい似合ってる!イメージピッタリよ!!」 「ははは……、ありがとうございます」  さっきから、毎度の如く興奮気味に語りだしたら止まらない顔見知りのスタイリストのマシンガントークに苦笑いを送りつつ、そそくさとスーツから元の自分の服に着替えた。  携帯には愁からこの部屋まで迎えに来ると連絡が入っていたからおとなしく愁を待つ。 「まといさんまといさん!どうですかっ」  椅子に座って愁を待っていると、着替え終えたのか衣装の制服に身を包み、両腕に美人とイケメンを絡ませ引っ張りながらこーたくんが走ってきた。 「おーっ三人とも制服似合ってるじゃん。違和感ないね」  主に後半は蘭夏くんと茂希くんの二十代組に向けて感想を言う。 「ホントですか!」 「21にもなって制服が違和感ないってのも複雑です」 「……けっ」  同じデザインの制服でも、着方やアイテムなどで三人それぞれ大分いんしょが違って見えた。  こーたくんはブレザーの下にパーカーを着て元気っ子なイメージ。  蘭夏くんはネクタイを緩めブレザーは手に持って、爽やかなスポーツマンなイメージ。  茂希くんは全体的に着くずし、ネックレスや指輪なでの装飾品をこれでもかって程付け、軽そうなイメージだ。  こーたくんは現役の高校生だからもちろん、後の二十代二人も全然違和感なくそれぞれの格好はとても似合っていた。
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