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すぐさまツッコミを入れれば、呆れたようにそっぽを向かれてしまった。
「……そういうのに鈍いのは高校の時から全く成長しないなお前」
頭の中はまだまだ増殖中な、はてな達。
さっきの蘭夏くんといい愁といい、もうちょい分かりやすく言ってほしい。
「意味わからんって顔してるな」
「だって全く分かんないんだもん」
片頬を膨らませ、ぶーっと愁に文句を言ったら、隠すことなく嫌そうな顔を向けられた。
「いい年扱いて“もん”とか言うなキモい。ハァ……最近よくメールしてるし、やっと少しは人間関係に興味を示してきたと思ってたんだがな。
一体誰とメールしてんのか知らないが 「好きな子」 人間らしくなってき………は?」
「だから、好きな子とメールしてるんですー」
口をポカーンと開けた愁をアホ面、と心の中で笑いながら二度繰り返した。
亜弥の事を考えていると無意識のうちに顔が緩んでいく。
「おま……いつの間に」
いつもの冷静さはどこへやら。焦った様子の愁は見ていて新鮮だ。
「さぁ、いつからでしょー」
だから、素直に答えずからかいたくなる。
「おいっ、まとい!茶化すな」
「きゃーっ愁こわぁい」
「まとい!!」
「……俺は真剣だから。真剣にあの子に恋してんの。反対するなら意見は聞かねぇ」
「……」
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