3章~脱出~

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「なにか問題がおきたようです。これからは、スタジオからお送りします。どうやら、屋外は大変危険な状況になっているようです。 可能な限り自宅からでないように注意してください。中継が復帰しだい、あらためて、現場の状況を 猪井キャスターに報告していただきます。」 俺は、おもいっきり机をたたいた。 吉田「それだけかよ!どうしてそれだけなんだよ!」 堀内「パニックを恐れているんだよ」 吉田「いまさらかよ?」 堀内「いまだからだよ。恐怖は混乱を生み、混乱は秩序の崩壊をまねく。秩序が崩壊したら、どうやってあの動く死体にたちむかうんだ?」 堀内が冷静にいった。 チャンネルを変えてみたら、 世界のニュースがやっていた。 「この異常事態は全米に広がり、 いまだに収集する見込みはたっていません。アメリカ政府首脳部は、ホワイトハウスを放棄、洋上の空母へ政府機能を移転しました。この移転の発表には、戦術核兵器の使用にそなえた処置ともながれています。モスクワとは通信が途絶、北京は全市が炎上中、 ロンドンは治安が保たれているものの、パリ、ローマでは略奪が横行かいげんれつして…」
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