12人が本棚に入れています
本棚に追加
午後18:00、公立高校。
珍しく参加した高校の部活が終わり、運動部の生徒が解放される。
所々で「だりぃー・・・」とか、「疲れたねー」という声と、僕を見て頬を染める又は嬉々とした声で指を指す女子の姿が見られる。
・・・のわりには、友達なんてほぼ皆無の存在に近い僕は、一通りの生徒が出終わった後を一人メガネ着用の上で歩いていた。
「早くしなさいよっ!」「ほら、リズム君行っちゃうよ?」
芸名言いながら指を差すな。
そんな思いを抱いたグループの一人であろう女子が、背中を押されてこちらに向かってくる。
「あのっ霞碼さん!」
名字呼び・・・
なんか気に入らないから訂正。
「・・・霞碼 響(カスメ ヒビキ)。響でいいよ。・・・ところで、僕に話でもあるの?」
「は、はい!えっと、あの・・・響さん、このあと空いてますか?・・・っもしよければ、お茶でも!」
そう言ってバッと頭を下げる。
どうせ家に帰っても一人だし、今日は収録も撮影も無いけど・・・
行くんだったら一人じゃ騒がれるから、もう一人くらい男子が欲s「あぁっ!響、ここにいたのか?!探したんだぞ!ほら、早くいこうぜ?」
後ろから少し長い前髪をカチューシャで上げたウザイイケメン。
・・・あぁ。
今日は祐(ゆう)と帰る約束したんだっけ。
あまりのうざさで忘れてたよ←
さて、いつも通り切り離して帰ってもら・・・
いや待てよ。
世間一般であればこいつはイケメンの部類だよな?
ちょうどいいから利よ・・・
ついてきてもらおう。
響「ごめん。・・・そうだ。今からこの子たちとお茶行こうってなったんだけど、一緒に行かない?ほら、女子グループに男子一人だとちょっと・・・ね?」
そう言って困ったような笑みで首を傾げると、頬を染め上げつつグループの反応を横目で確認。
もちろんOKとも言わんばかりに頷くのを確認して向き直る。
「そ、それじゃあ祐さんも一緒に来ていただけますか?駅前のカフェなんですけど・・・」
祐「え?あぁ、いいぞ!じゃあ行こう、リズム!」
あ?こいつも芸名呼び・・・?
余計にムカつくな。
響「祐。今の僕はリズムじゃなくてヒビキだよ。・・・ちゃんとこっちで呼べ。」
祐「え?あぁ!響な!わかった!」
そう言って祐はニカッっと、僕はニコォっと笑っている間に、離れて見てた女子も集まってきたようだ。
最初のコメントを投稿しよう!