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「こんにちはぁ。この子の友達の、ユミでーす!」
「同じく、お友だちの、ミカです!」
「「私たち、響君と祐君のファンなんですぅ!」」
今すぐファンクラブを抜けてくれ。
このフインキはなんか好きじゃない。
「あ・・・僕やっぱ「ありがとう!じゃあ、行こう!!」・・・ッチ」
祐、お前はついでに逝ってこい・・・!
「「はいっ!」」
そう言って三人は楽しそうに前方を歩いていく。
・・・なんか今ならそこら辺の自販機投げれる気がする←
と現実離れな思考を浮かべていると、さっきの女の子だけ僕とウザ祐達の間の空間にいるのが目に入った。
響「ねぇ。」
「ひゃぅ!・・・何ですか?」
響「あっち、行かなくていいの?友達なんでしょ?」
「え・・・あぁ、私は・・・私には、祐さんや響さんと並ぶのには、華がないし、とても並べるような人間じゃない、って言われたんです。自覚はありますけどね。」
アハハ・・・と苦笑いしながらそう言う。
「ハァ・・・だから人は嫌いだ・・・」
人の自信を奪う、人を玩具や操り人形のように扱う・・・
全部人が人を殺めてる。
「え・・・?」
僕がボソボソいってるのを聞き取れなかったのか聞き返してくる。
「何でもないよ。僕達も行こう。」
そう無表情を崩して微笑むと、「はい・・・!」と少し嬉しそうにしてついてくる。
響「ねぇ、あなたの名前、教えてくれる?」
「わ、私の名前は、リカ・・・藤咲 梨華です・・・」
「へぇ・・・覚えとく。」
こんなにプライベートで人と話したの、初めてかも。
それをふっと笑いながら見ていると、不意に前方からの空気に殺気とよく似たものが2つ混じる。
そちらを向けばさっきの・・・(名前忘れた。)女の子がいた。
「リカ。ちょっと・・・こっちきな。」
「響様は、祐様と先にいって下さい!」
そんな二人に祐は「おぅ!」なんて返してるけど・・・
嫌な予感。
人が消える予感。
丁度、親が事故に合う時と同じ・・・
無意識のうちに、僕は祐へ言葉を向けていた。
響「祐、先いって。僕はちょっとディレクターに電話しなきゃ。」
祐「おーわかった!」
そう言って駈けていく祐を横目に、廃ビルに入っていく女子たちを追いかけた。
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