第一幕・桜【前編】

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床についてからも私はすぐには寝付けなかった。 三日祭とはとても過酷なようじゃ。 戦から戻り、すぐさま行わなければならないものなのだろうか? 私はそのような宿命にある義宗様を案じる。 夫婦となったのだから、義宗様を支えていきたい。 義宗様に絡みついている全てのものを包んでいきたい。 そう、思わずにはおられなかった。 次の日、私は習慣であるお琴を嗜んでいた。 「美しい音色だな、桜」 「義宗様。手慰み程度に嗜んでいるもの故、お恥ずかしゅうございます」 声を掛けられると、義宗様だった。 距離にして人、三人分の襖の側に腰掛けている。 「お加減はもうよろしいのですか?」 「ああ、もう良いぞ。そなたには心配をかけたな」 「そんな、とんでもございません。私など何も義宗様のお役には立てておりません」 情けなくて少し俯く。 ほんに何もお役には立てていない。 むしろ義宗様のお姿に近寄りたくないとさえ思っていた。 「そんなことはない。これは桜のものであろう?」
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