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帰り道、私は義宗様と初めて手を繋ぎ寄り添って帰った。
初めて義宗様が恐ろしくないと思ったのだ。
ようやく夫婦になれた気がした。
三日祭。
それは土地の神様に神子が三日間、忍塚山に籠り祈りを捧げる祭り。
神子の祈りが通じれば、嵐が来てその年の豊穣は約束されるという。
そして神子の祈りは必ず聞き遂げられる。
そういう言い伝えなのだと義宗様から聞いた。
義宗様自身が三日祭の神子だった。
義宗様が忍塚山に籠られて三日目。
空を見ると雲行きが良くない。
風も強まってきておる。
……もうすぐ嵐が来るようじゃ。
私は嵐が好かぬ。
嵐は母上様を連れて行った。
私が六つの時の話じゃ。
穏やかな土地である日和の国に嵐が来た。
皆が慌てふためき、嵐はひと月も居座り続けたのだ。
雨が降り続き、風が止むことは無く、時折鳴神様まで姿を現した。
これ以上嵐が居続ければ、その年の作物に影響するほどであった。
元々備蓄の少ない貧しい国だった。
だから皆が嵐を恐ろしがった。
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