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歯を磨きながら、さっきの夢のことを思い出す
いつも、俺はあの人に告って、で、あの人は悲しそうな顔をして、何かを言う。
その何かを聞けずに、いつも目が覚める
たぶん、夢だから都合の悪いところは俺が見ないようにしてるんだろう。
…どうせなら、もっといいの見せてくれりゃあいいのに
ま、夢なんてそんなもんか
口をゆすいでタオルでふき、リビングにむかった
「おーっす」
「…はよ」
リビングに行くと兄貴、秋陽-アキハル-がソファでテレビを見ていた
俺は秋と二人暮らしをしていて、俺は高校二年、秋は大学生二年だ
両親は二人とも海外で仕事
もう中学の時からだから、だいぶ慣れた
でもたまに帰ってくると、かなりうざい
なんつーか、心配なのはわかるけど、質問攻めにすんのはやめて欲しい
「朝飯できてんぞ」
「ああ」
秋陽は悔しいがなんでもできる
勉強も運動も
顔だって家族だってことを差し引いて考えても、男前だと思う
背は高いし、目元はキリッとした二重まぶたで鼻もスッと高い。
髪は艶のある黒髪で全体的に少し長めだが、逆にそれが色気をだしている
料理は俺もできるけど、秋のが全然うまいからまかせっきりだ
俺はそんな秋を慕っているが、コンプレックスでもある
こんな完璧人間が近くにいられたら俺の存在感は皆無に等しい
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