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今の季節は春だ。暖かな日差しに小鳥の声。後何回この季節を、見れるだろうか。
遠くで、誰かの歌声がする。誰だろ?惹きつけられるような歌声に引き寄せられていった。
「僕には歌しかない、けど君を励まし喜ばせることは出来る。歌は世界を超えていくから…ーー」長い髪の毛に薄ピンクのリボンをつけた少女が歌っていたのだ。歌しかないように、僕には本しかないようなものだ。
パチパチ…
自然と拍手してしまった。彼女は、僕に気付くと笑顔になった。
「あなたは、誰かしら?どこからいらしたの?」それ程高くない声は、僕に問いかけた。
「僕は、有。この病院で入院してるんだ。君は?」
「あたしは、リン。この近くの高校に通ってるの」
初めてあったのに、初めてとは思えないくらい話は合った。小さい頃から病気で閉じ込められてる僕を励ましてくれた。歌で喜ばせてくれた。
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