リンと僕

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リンside 有が倒れたって聞いて、急いで駆けつけてきた。助からないでしょうってお医者さんは言った。けど、有が最後まで生きたいって言ってたんだ!!この青空の下で、もう一度私の歌を聴きたいと言ってくれた。 けど、神様は意地悪なんだね。大切なモノをとってくんだから… 「リン……、リ…ン…」 有の手は私の手に触れた。あったかい手は冷たくなっていく。 「有は生きて、あたしの歌を聴いてくれるんでしょう?あの日みたいに、拍手してくれるんでしょう?」 涙は一粒、一粒こぼれていく。有は小さく笑った。あの日、私が笑ったように。
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