紫くんはぴば

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「今年は何が欲しい?」 侯隆は毎年この時期になると言ってくれるけど。 ホンマに何にもいらん。 欲しいのは侯隆だけやから。 「疲れた…。」 当たり前やけど、誕生日やからって休みなんてことはない。 疲れ果てて帰宅したら、侯隆が待っててくれた。 「おかえり。信五。」 ちーと遊んでくれてたのか、ちー疲れたんか寝とるし。 でも、ちーをかわいがってくれるのはホンマありがたい。 「ただいまあ。侯隆。」 手を広げてくれた侯隆に抱きつく。 「おかえり。信五。 …誕生日、おめでとう。」 今日、色んな人におめでとうって言ってもらえたけど、メールもたくさんもらったけど。 やっぱり、侯隆におめでとうって言ってもらえるの、 1番嬉しいわ。 ぎゅうって抱きしめてもらっただけで、元気でるし、幸せな気持ちになる。 こんな気持ちになるん、侯隆だけやろうなあ…一生。 「侯隆、ほんまありがとうなあ。大切にするな。」 「信五、欲しいもん何も言わんかったから、俺が選んでもうた。 気に入ってくれたん?」 「ん。嬉しかった。大切にするな。」 ちゅ。て侯隆からキスされて、耳元で好きやで。て囁かれて。 幸せやなあ。て思う。 ずっと侯隆とこうしていたいねん。 侯隆だけいれば、ほんま何もいらんわ。 「信五、ホンマはなにが欲しかったん? 前聞いた時、なんや言いたげだったやん。」 「侯隆。」 「え?」 「侯隆がいてくれたら、ホンマ何もいらん。 やから、ずっと一緒にいてな。 侯隆しか欲しくないから…」 「ずっと一緒やで。 なんも心配することあらへん。 誕生日なんやから、笑えって。」 な?て侯隆に抱きしめられて、やっと安心できた。 侯隆が大好きって言ってくれただけで、ずっと一緒って言ってくれただけで、笑顔になれた。 「信五は笑っといたらええねん。」 侯隆がそう言ってくれる限り、ずっと笑っていられる。 「ずっと一緒におってな侯隆。」 「当たり前や。一生一緒や。」 1月26日、俺の誕生日。 そんで、侯隆のことを愛しとるって再認識する日。
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