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「いっけなーい! 遅刻遅刻~っ!!」
私、橘優未っ!
幻想郷の魔法の森で暮らす、ただの人間の女の子☆
好きな食べ物はスイーツ! 好きな模様はストロベリー柄かなっ!
実は私、ただの人間なんだけど吸血鬼がいるこわーい館で働いてるの……。
正直、辛いことの方が多いかもしれない……。
でも、それでも皆の為、幻想郷の為に私は今日も笑顔で理不尽と戦うのだ☆
「……何やってんの?」
私の目の前で呆れたような顔をしてちょっと冷たく言った彼女は「鬱陶しいからやめて」……。
「……いや、地の文にまで介入するってどうよアリス。初っぱなからメタいことするってどうよアリス。前作はこんなことなかったじゃん。比較的プロローグは真面目にやってたじゃん」
「アンタも前作とかワケわかんないこと言うってどうなのよ。大体布団に潜りながら変な事をぶつぶつ呟いてる時点でどうかしてるけど」
「どうかしてるぜっ!!」
「黙れ」
「…………」
私のダメな癖は、心の声がそのまま出ちゃうときがあることなんだよなあ……うん、早く直したい。
そんなわけで最初のよく分からないナレーションはいずれ私を主人公にした小説を書いてもらう(稗田阿求あたりに。あのロリに)時の為に練習していたわけだけど。
どうやら、頭脳派で都会派の“アリス・マーガトロイド”さんには受け入れにくかったようだ。
一緒に暮らしはじめて大体9ヶ月。全く相容れないぜ。
「酷い、酷いなアリス。こんなんじゃフラグなんて立たないよ?」
「なんで私とアンタでフラグ立てなきゃいけないのよ気持ち悪い」
アリスは金色の髪を指先で弄りながら冷たく言った。
真っ青な目が彼女の冷たさを余計に際立たせている気がする。
「ぐすっ……私はアリスの事大好きなのに……無愛想にしてるけど優しくて、冷たいようで甘ったるいアリスが大好きなのに」
「……私だって好きよ」
おうわっ!? デレた!? ただのツンしかないって巷で有名な筈のアリスがデレた! ツンデレだっ!!
「うん、ゴキブリよりかは好き」
「ゴキっ……!? ゴ……えっ?」
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