プロローグ

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ゴキブリよりかはってなんなの? 大抵の人がゴキブリに与える愛情って最下層じゃん。『殺しちゃうのはちょっとだけ可哀想だからゴキブリホイホイで捕まえて公園に逃がそっかな』って奇跡的に思ったりしちゃうぐらいじゃん? 因みに私はゴキブリホイホイで拘束してからのゴキジェット派。汚物は消毒。 「……あ、そっか、アリスにとってはゴキブリが最下層ってわけじゃないんだね。ゴキブリと一緒にティータイム楽しむレベルなんでしょ? 引くわー」 「しないわよそんなこと。っていうか、ゴキブリゴキブリって連呼するのやめてくれない? せめて“リグル”って言いなさい。似たようなもんだし」 「似てないよ!! 蛍だよ! アイツ蛍だよ!?」 リグル・ナイトバグ。蛍の妖怪である。因みに出番はこれだけ。ぷぎゃー! 皆一緒にっ! 「ぷぎゃー!!」 「ぷぎゃー。……って何言わすのよ」 「言ったのは貴女です、アリスさん……あいたたたたたっ!? 痛い痛いっ!? 耳が痛いっ!!」 アリスが操る人形が私の耳を引っ張る。千切るんじゃないかってぐらいの強さで引っ張る。 私と違って人外のアリスは魔法を使って人形を操る人形遣いなのだ。 この魔法使いはこうして人形をこき使う。まあ結局は自分で命令式とかよくわからんなんかで動かしてるんだけども。それを大量の人形でやってんだからすごいと思うけども。 でも耳を引っ張るのは人形にやらせちゃ駄目だよ! コイツら加減とか知らねーんだもん! みみなしほういちデビューだねっ! やったね優未ちゃん!! 「そういえば優未。貴女紅魔館に行かなくても良いの? 最近行ってないじゃない」 「痛いいたたたたたたっ!!」 「答えなさいよ」 「じゃあ耳離せよ!? なんでお前人が痛がってるときにそういうこと聞くの!?」 「ほら、話せるじゃない。で、なんでなの?」 「だから離して!? 耳離してぇ!?」
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