プロローグ

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「それでなんでここに来るのよ! 帰れ! 賽銭入れてすぐ帰れ!」 私はアリスに連れられて“博麗神社”という比較的綺麗な神社にやって来た。 因みに比較的綺麗な理由はこの神社が何回か全壊してるから。 そして私たちの目の前で竹箒をバンバン地面に叩きつけながらギャンギャン吠えてるのは博麗神社の素敵な巫女さんだ。 名前は“博麗 霊夢”。 やってることは凄いし、英雄と呼ばれても良いくらいなんだけど、何しろ他人に対して興味がなければ性格も悪いし暴力的だしと、まーほんとろくでもないのよこの巫女は!! 私だってこれまでに何度重労働させられて賽銭という名の重税を徴収されたか……。 「だからさっきも言ったじゃない。春を探しに来たって」 「だーかーら!! 春を探しに来てなんでここに来るのよって言ってんの!」 「あら、わざわざ言ってほしいの?」 アリスが霊夢に言わんとしていることは私でも簡単に理解できる。 ここっていつも春っぽいからね(笑) 「優未貴様許さんぞ」 「しまった……また心の声が……。っていうかさ、霊夢。別に春に近そうって言っただけでそんな怒る必要ないじゃん。どうせ毎年言われてるでしょ?」 「まあ確かに……吸血鬼とかメイドとか黒白とかアイツらほんと……」 霊夢は手の平で額を押さえると何やらブツブツと愚痴り出した。 なんか今日の霊夢はピリピリしてるなあ。 「霊夢、なんか今日機嫌悪いね。まあいつも悪そうだけど。腐った饅頭でも食べた?」 「アンタじゃないんだからそんなことしない」 「どういう意味だこら! 私腐ったもの食べても機嫌悪くしないもん!!」 「え? そっち!? ……あーそっかそっか、そんなんだから頭の中も消費期限切れなのね」 「うわーん!! アリス~っ! 霊夢が苛めるよーッ!!」 「いや、貴女は消費期限切れよ」 抱きつこうとしたら避けられた。何て日だ!!
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