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「試合には……、出たくありません」
高校に入学すると同時に部活への関心がほとんどの生徒を包んだ。
「古賀―、バスケ一緒にしよ、おれもするからさ」
「じゃあ、おれもする」
古賀は中学の時、一緒にバスケをやっていた神立に言われ、とっさに答えてしまった。
神立と古賀は中学こそ一緒だが、仲はそれほど良くはなく、つながりといえば、同じバスケ部にいたということだけだった。
高校ではサッカーやろうとしていた古賀だったが、中学はバスケをしていたので、高校でサッカーを始めようにも、踏切がつかないところを神立に誘われてしまったのだ。
そんな古賀を神立は、新しい部活での友達作りの起爆剤として考えていた。
そして、バスケ部に入り、すかさず三年の春のインターハイ予選が始まった。
「あれって神立じゃないか」
「ほんとだ、神立だ。土屋もいるぞ!」
神立は高校一年生にしては上手く、土屋も中学の頃、バスケ部のキャプテンだったらしく、二人は入部してすでに二年生と変わりない強さを持っていた。
だが、試合は初戦敗退。先輩方に聞くと、いつものように負けるという、確かに三年生が3人、二年生が3人のチームでは、勝てる試合もそう簡単には勝てないと、古賀は思った。
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