purpose.

5/15
前へ
/20ページ
次へ
俺は白く、簡易で、清潔なベッドに寝かされていた。 起き上がろうとすると、体の節々に鋭い痛みを感じた。 ただ、そういう事には慣れっこで、俺はその痛みを軽々と乗り越え、起き上がる。 ベッドの真正面には、窓が備えつけてあって、ご丁寧に鉄格子まで取り付けてある。 窓から部屋を照らすのは、月の光。 確か、昨日今日辺りが満月だとテレビで言っていた、と記憶を探る。 足を持ち上げる。 所どころに痛みを感じるが、動いた。 手を動かす。 右手は大丈夫。 左手は、見事に固定されていた。 きっとここの地主か誰かが治療してくれたのだろう。 この様子からして、左手は骨折しているに違いない。 他にも至る所に、包帯が丁寧かつ慎重に巻かれていた。 左手、右足首、胴体。 そして……目。 .
/20ページ

最初のコメントを投稿しよう!

9人が本棚に入れています
本棚に追加