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俺は白く、簡易で、清潔なベッドに寝かされていた。
起き上がろうとすると、体の節々に鋭い痛みを感じた。
ただ、そういう事には慣れっこで、俺はその痛みを軽々と乗り越え、起き上がる。
ベッドの真正面には、窓が備えつけてあって、ご丁寧に鉄格子まで取り付けてある。
窓から部屋を照らすのは、月の光。
確か、昨日今日辺りが満月だとテレビで言っていた、と記憶を探る。
足を持ち上げる。
所どころに痛みを感じるが、動いた。
手を動かす。
右手は大丈夫。
左手は、見事に固定されていた。
きっとここの地主か誰かが治療してくれたのだろう。
この様子からして、左手は骨折しているに違いない。
他にも至る所に、包帯が丁寧かつ慎重に巻かれていた。
左手、右足首、胴体。
そして……目。
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