purpose.

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少し羽っ毛のある肩まである茶色がかった髪。 右の横髪は、丁寧に編み込みがされてあった。 どこまでも透明な水色の瞳。 その瞳によく合う青基調の制服。 そして……手の甲にある白い羽。 月明かりに照らされた、その少女の姿に俺は見とれていた。 彼女の面影はそれだけ、綺麗で儚かった。 「ちょっと、質問に答えてくれない? 」 また声が聞こえて、その声が目の前の少女から発せられていないものだと気付く。 さっきと同じ声。 それは扉から少女の次に入った、もう一人の声。 艶のある黒く長い髪を高めに括った少女。 明らかに、彼女の方が年上だと分かる……そんなしっかりした印象を受けた。 動きやすそうなピッチリしたTシャツに、学生服のようなスカート。 首もとには、十字のネックレスが鈍く光っていた。 .
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