prologue.

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矢が射たれた方向へ頭を向ける。 予想通り、というかごく当たり前にそこには人がいた。 しかし、俺の意識は限界を越えたか、それとも“あいつ”がいなくなったことで死の恐怖がなくなってほっとしたのか遠くなっていく。 俺は必死に自我を保とうとする。 しかし、さっきから何一つ思い通りに動かない体は、どんどんと重くなるばかり。 瞼は閉じていき、視界が霞むばかりだった。 「き……みは……いったい……」 その“少女”へ手を伸ばそうとしたが、手は決して届くこともなく、俺はゆっくりと、深い闇に包まれていった―…… .
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