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…………………あれ?
私、部屋間違えた?
いや、でも…
お気に入りのソファーだって、ちょっと奮発して買ったアクセサリー箱だって、朝見たときのまんまだ。
それに、見知らぬ男が寝ているベッドも私のベッドのはず、青や赤のカラフルなドット柄の布団は私のお気に入りの物だった。
絶対に私の部屋だ、うん。
でも、なんで?
朝でるときはちゃんと鍵をかけたし、確認もした。
それにここは5階だ、
窓からなんて入れるはずもない。
外の鍵穴だっていじられた形跡はなかった。
「……とりあえず、警察に電話しよう。」
電話のあるリビングにいこうと急いでドアを開けたとき、
「うーん…」
「!!!」
その見知らぬ男がのっそりと起き上がった。
「……………。」
「……………。」
しばらくの間、沈黙が続く。
「おい……」
「……な、なんですか?」
沈黙を破ったのはその男で、
でも、私はそれどころじゃない。
やばい……
殺される…
……嫌だ、まだやりたいこといっぱいあるのに。
「おいって!」
男がまた、話しかけてきた。
あぁ、終わりだな、私の人生も…
さよなら、平和で平凡な愛しい日々よ。
死ぬ覚悟なんて全くできていないけど
すぐくるであろう衝撃にそなえるべく、
私はぎゅっと目をつぶった。
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