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居候の好きなもの
半透明の隼人さんが私の家に居候してきて2日たった日曜日。
「図書館に行ってきます。」
「は?」
突然そんなことをいいだした私に、素っ頓狂な声をだした隼人さんは目をまん丸にして、そう答えた。
「図書館で調べたいことがあるんです。」
「そうか。なら、おれもついて行くよ。」
「いえ!隼人さんは家で待っていてください。すぐ戻るんで。」
「はぁ?何でだよ。おれもいきてぇ。それに、調べ物っておれのことだろ?」
「ち、違いますよー。借りたい本があるんですよ。あ、あははは。」
「はぁー。お前…ウソ下手だな。」
「えっ!?」
「だって、おれの顔みようとしないし、挙動不審すぎる。」
「……………。」
「そうだろ?」
「…確かに、隼人さんの言うとおりです。でも、隼人さんのことだからこそ、着いて来てはダメです。」
そうだ、これは隼人さんのためだ。
私が図書館に行きたいのは、そこで、インターネットが使えるからである。
もし、調べた結果が隼人さんの傷つくものだったら……。
そう考えると、隼人さんはこないほうがいいんじゃないかと思った。
「ハァー…おれのためを思って。って思ってんだったらやめてくれ。大丈夫だ!行くって自分が言ってんだから、どんな結果でもお前のせいじゃない。」
真剣な顔つきでそう言った隼人さんに、ダメです。なんて言えなかった。
私は
「……わかりました。」
ただこの言葉を言うしかなかった
「恩に着る。」
二カッと隼人さんは笑って私にそういった。
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