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チェシャ猫は物陰から顔をだけをだし、様子を窺う。
「トランプの兵士だ。おそらく、巡回しているだけだろう」
それから、トランプの兵士がいなくなるまで固唾を飲んで待っていた。
「行ったよ」
チェシャ猫のその言葉にみんな深いため息をついた。
「時間がないな。じゃあやってもらいたいことだけ話すよ」
チェシャ猫が言うには、町へと戻り町民達を城まで連れてきてほしいとのことだった。
「群集心理ってヤツだよ」
「でもさ、僕達がわざわざ連れてこなくてもみんな来るんじゃないの?」
そう言ったのは、ティドルダム。
「そうだよ。アリスの処刑が公開されるっていうんで、城に集まるようにってお触れが出てたじゃないか」
ティドルディが言った。
「確かにそうだが、それじゃダメだ。あくまでも女王を追放するために集まってくれなければ…」
「そっか、それで僕達がみんなで女王を追放しようとみんなをのせるんだね」
「だね」
ハンプティ・ダンプティーが言った。
「そういうことだ」
「わかったわ。私達にまかせておいて」
「よし、それじゃ行くよ。時間がないからね」
そう言うと、アリス達は城の外へ…城下町へと向かうため走りだした。
その後ろ姿を見送ると、チェシャ猫は城を見上げた。
「それじゃ、行くよ」
あたしはチェシャ猫の言葉に頷く。
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