第7章:想像と創造

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チェシャ猫は物陰から顔をだけをだし、様子を窺う。 「トランプの兵士だ。おそらく、巡回しているだけだろう」 それから、トランプの兵士がいなくなるまで固唾を飲んで待っていた。 「行ったよ」 チェシャ猫のその言葉にみんな深いため息をついた。 「時間がないな。じゃあやってもらいたいことだけ話すよ」 チェシャ猫が言うには、町へと戻り町民達を城まで連れてきてほしいとのことだった。 「群集心理ってヤツだよ」 「でもさ、僕達がわざわざ連れてこなくてもみんな来るんじゃないの?」 そう言ったのは、ティドルダム。 「そうだよ。アリスの処刑が公開されるっていうんで、城に集まるようにってお触れが出てたじゃないか」 ティドルディが言った。 「確かにそうだが、それじゃダメだ。あくまでも女王を追放するために集まってくれなければ…」 「そっか、それで僕達がみんなで女王を追放しようとみんなをのせるんだね」 「だね」 ハンプティ・ダンプティーが言った。 「そういうことだ」 「わかったわ。私達にまかせておいて」 「よし、それじゃ行くよ。時間がないからね」 そう言うと、アリス達は城の外へ…城下町へと向かうため走りだした。 その後ろ姿を見送ると、チェシャ猫は城を見上げた。 「それじゃ、行くよ」 あたしはチェシャ猫の言葉に頷く。
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