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あたしはいつから独りだったのだろうか。
独りが当たり前となって、休み時間はいつも本を読むようになっていた。
本だけがあたしの世界となった。
つねづね思うことがある。
この世界はくだらない、こんな世界から逃げ出したい。
あたしはこの世界において、存在してないに等しい。
ある夜、あたしはひそかに願った。
あたしを…この世界から逃がして。
聞こえてくるクラスメート達の会話。
くだらない…
あたしは生きてる中で、楽しみなんてものはない。
心から楽しいと思ったことさえない。
それどころか、笑顔を見せたこともないと思う。
最後に笑ったのはいつだったか…もう思い出せない。
遠い昔の記憶。
唯一の楽しみといえば、本を読むことだけ。
たまに夢を見る。
あたしがアリスになる夢。
あたしはこのアリスの物語が好きだ。
理由は忘れた。
でも、この日あたしは一生忘れることができない体験をすることになる。
さぁ…物語のはじまりだ。
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