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「アリス。あなたに聞きたいことがあるの」
「なに?」
「この世界はアリスが創ったって聞いたのだけれど…ほんとなの?」
「そうだね。確かにこの世界はあたしが創った」
「創ったってどうやって?」
「想像だよ」
「想像?」
「そう…物語は想像によって創られる。想像力って言えばわかるかな?」
「想像力?それが…アリスの力?」
「うん…想像は創造となりて力となる…あなたにも使えるはずよ」
「あたしにも?」
「ええ、だって私とあなたは同じだもの」
「どうやったら、使えるの?」
「想像するの、頭の中で…そうすれば、創造となりて万物を形創るわ」
「じゃあ、たとえばアリスの鎖が外れることを想像すれば、その通りになるってこと?」
「まぁ、そうだね。この世界もお父様の物語を何度も読むうちに頭の中で想像していたものが、形となったもの」
「想像…か。やってみる」
そう言うとありすは目を瞑り、想像しだした。
アリスの鎖と足枷が外れるところを。
しかし、アリスの鎖は外れなかった。
「ダメ…やっぱりあたしなんかに、そんな力ないよ」
「そんなことない!まだ、想像力が足りないだけ…もっと想像して…強く…そして、より鮮明に…あなたならできるわ」
「………うん」
ありすは頷くと、もう一度目を瞑った。
そして、もう一度想像する。
さっきよりも強く、より鮮明に…。
頭の中にアリスの鎖が外れるイメージが浮かんでくる。
外れろ!
外れろ!!
外れろ!!!
外れろ!!!!
外れろ!!!!!
そう強く思った時、頭の中でその映像は鮮明になった。
まるで、目を開けてるみたいに…鮮明に…
すると、頭の中でアリスの鎖と足枷を外すことに成功した。
すると、カシャンと音が聞こえた。
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