第7章:想像と創造

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すると、チェシャ猫が照れたような顔でこっちを向いた。 「次は君の名前を取り戻す番だね」 「うん、そうだね…でも、チェシャ猫はアリスを連れて逃げて」 「何を言ってるんだい?僕も行くよ」 あたしは顔を横に振った。 「ううん、チェシャ猫もアリスもひどい怪我じゃない。ちゃんと手当てしないと…」 「私は平気よ。助けてもらったしね。それに…女王と決着も着けなければいけないし」 「アリス…」 チェシャ猫がアリスを見上げ呟いた。 「チェシャ猫も来てくれるよね?」 「もちろんだよ。僕はアリスの飼い猫だからね。どこまでもアリスに着いて行くよ」 「ふふ、ありがとチェシャ猫。これで、決まったわね。みんなで女王の元へ行きましょう」 「まずは、ここから出ないと行けないわね。どうするの?」 「みんなでこれを食べよう。ハンプティ・ダンプティ」 チェシャ猫に呼ばれ、ハンプティ・ダンプティは頷きポケットから袋を取り出した。 それは、あの大きくもなれれば小さくもなれるクッキーだった。 「これを食べて、あの隙間から外に出るんだよ」 チェシャ猫は牢の木製の扉の隅にできた隙間を指差した。 確かに、このクッキーを食べればあそこから脱出できるかもしれない。 でも、果たして見張りに見つからずに行けるのか? 「このくらい小さくなれば、きっと見つからないよ」 チェシャ猫は自信満々にそう言った。 まぁ、そんな自信満々に言うなら…他に方法もないわけだし…。 そう思いあたしはチェシャ猫の提案に賛成した。
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