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チェシャ猫達はすでにクッキーを食べて、小さくなっているから食べるのはあたしとアリス。
あたしとアリスは小さくなる方のクッキーを手にとると、口へと運んだ。
すると、みるみる小さくなっていく。
目線はチェシャ猫達と同じ大きさになっていた。
「よし、じゃあ行くよ」
あたしたちは向かいあい頷くと、牢の扉の隙間へと歩きだした。
隙間から少し顔を出し、のぞいてみると門番は立ったまま寝ているようであった。
これなら、見つからずに牢から出られる。
あたし達は慎重に、音を立てずに歩いていく。
その時、クシュンとティードルダムがくしゃみをしてしまった。
みんな、振り向きシーっと口に人差し指を当てた。
すると、ティードルダムは慌てて口を抑えた。
門番が起きてしまったのではないかと、恐る恐る上を見上げた。
目が開いてる…
もしかして、起きちゃった?
あたしは、見つかることを覚悟した。
しかし、門番は当たりをキョロキョロと見渡すとまた目をつぶり眠りに入ってしまった。
助かった…。
みんなほっとし、胸を撫で下ろした。
今度は、さっきよりも慎重に歩く。
せめて、姿が見えなくなるまでは。
少し歩くと階段にさしかかった。
小さくなってるだけに、階段の一段一段がまるで崖のように感じる。
どうしよう…。
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