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ありす達は、見張りの兵に見つからないように慎重に城へと近づく。
「ねぇ、チェシャ猫」
「なんだい?」
「さっき、女王もアリスの力が使えるって言ってたよね」
「ああ…」
「それって、どういうこと?」
「アリスの創造の力は、女王に奪われたのさ」
「え!?それって…」
「そう…君の名前と一緒さ。だから、アリスは捕らえられた。そして、女王はアリスの力を使ってこの世界の時間を止めた」
「なんのために?」
「年をとることを嫌い、自分が永久に女王に君臨するためさ」
「そんな…じゃあ、アリスの力も一緒に取り戻さなくちゃ」
「ああ、僕ははじめからそのつもりだ」
「ふふ」
「なんだ?」
「チェシャ猫って、ほんとにアリスのことが好きなんだね」
「アリスだけだったからね…」
「え?」
「止まって!」
チェシャ猫に止められ、足を止めるありす。
見上げると大きな、それでいて立派な装飾の扉が目の前にあった。
ここが、玉座の間…
「ここに、女王がいるのね」
「ああ、準備はいいか?」
「うん、いつでも!」
そう言うと、扉へと手をかけた。
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