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ぎぃぃ…
そんな音を出しながら、扉は開いた。
扉が開き、玉座の間へと足を踏み入れると、そこは最初あたしが連れてこられた部屋だった。
あたしは辺りを見回しながら、ゆっくりと歩を進める。
すると、部屋中に声が響いた。
「待ってたよ」
あたしとチェシャ猫は声のした方へと視線を投げかける。
すると、そこにはこれまた立派な装飾のされた椅子に座っている女王がいた。
「待ってたってどういうこと?」
「ふん、お前達が牢を抜け出したのは知ってるよ。見てたんだからね」
そう言うと大きな水晶に先程までいた、牢の映像が映し出された。
「じゃあ、なぜ何もしなかったの?」
「ふん、ここに来ることはわかっていたからね。町に行ったアリス達の元にはトランプの兵を向かわせた」
「そんな…アリス…」
「お前達が心配する必要はないさ。ここでくたばるんだからね」
「そんなの、やってみなくちゃわからないでしょ!あたしの名前返してもらうよ」
「ふん、存在が消えるまで待てないようだね。なら、ここで朽ち果てるがいいさ。ジョーカー!」
「はっ!」
女王の声でジョーカーはどこからともなく、姿を表した。
「ジョーカー。この娘とチェシャ猫を八つ裂きにしろ」
「御意」
そう言うと、ジョーカーはあたし達の方へと向かってきた。
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