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「来るよ、下がって」
あたしはチェシャ猫に言われるがまま、後ずさりをする。
「ジョーカーは僕が止めるから、そのうちに女王のもとへ」
「チェシャ猫…」
「大丈夫、僕は意外と強いんだ」
チェシャ猫がチラッとこちらを向く。
「急いで!」
そう言うと、チェシャ猫はジョーカーへと飛びかかって行った。
あたしはそれと同時にその横を通り過ぎる。
チラッと横目でチェシャ猫がジョーカーの腕に噛みついているのが目に入った。
しかし、ジョーカーに振り払われチェシャ猫は宙を舞った。
しかし、そこは猫。
抜群の反射神経で着地しジョーカーと向かいあう。
「ふん、その程度の力で私と戦おうと言うのか」
「僕は、お前に負けたあの頃とは違うさ」
「ほぉ、どう違うのか見せてもらおうか」
「今度は負けない」
そう言った瞬間、ジョーカーの目の前からチェシャ猫の姿が消えた。
と思った次の瞬間、ジョーカーの懐近くに現れるチェシャ猫。
「な!迅い…」
チェシャ猫はそのままジョーカーへと体当たりをかます。
チェシャ猫に体当たりされたジョーカーの体は吹き飛び、壁へと激突した。
ジョーカーが壁に激突した音を聞き、振り返るありす。
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