第7章:想像と創造

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「チェシャ猫、ほんとに強い」 「おや、余所見してていいのかい?」 女王の声にハッとなり、身構えるありす。 「あんたがここに来た理由はこれだろ?」 女王は、一枚のカードを取り出しありすに見せた。 あれは… あたしの名前? でも、なんて書いてあるかわかんないよ。 「返して…あたしの名前返して!」 「ふん、そう言われて返すバカがどこにいる?」 そう言うと女王はもう一枚カードを取り出した。 「それは…」 「ふっ、これかい?これはこういうふうに使うのさ」 そう言いカードをかざすと、光輝いた。 すると、どこからともなく蔦が伸びてきてありすの手足を縛った。 「これは…もしかして、それ…アリスの力?」 「そうさ!その通りだよ。この力があれば無敵さ。永久に女王に君臨できる」 「そんなことさせない!」 「お前に何ができるっていうんだい?」 そう言われ、ありすは俯いてしまった。 想像して… アリスに言われた言葉が脳裏に蘇った。 想像して…想像は創造となりて力となる。 あたしは目を閉じた。 集中するために、想像するために。 手足に絡まっている蔦が外れるイメージ。 外れろ 外れろ 外れろ そのイメージが固まったら次は、イメージが現実になるようイメージする。 シュルシュル… 目を開けると、蔦が外れていた。 「バカな!まさか…お前、アリスの力に…創造力に目覚めていたのか?」 「あら、牢でのこと見てたんじゃなかったの?」 「見てたのは、お前らが牢から出てからだ。まさか、アリスの手錠を解いたのはお前か?」 「そうよ」 「ふん、しかし目覚めたばかりでは私の敵じゃないね。創造力を実戦に生かすのは思考の瞬発力が大事なんだよ。それが、目覚めたばっかのあんたに出来るかい?」 確かに、一瞬でそのイメージを造り出すことは今のあたしには無理だ イメージするたびに時間をかけてたんじゃ、スキが多すぎる。 どうしたらいいのだろうか?
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