第7章:想像と創造

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ゆっくりと床に倒れるジョーカー。 「あ…ユニ。来てくれたんだ?」 「言っただろ?その笛を吹けばどこにいても駆けつけると」 「ありがと…でも…チェシャ猫が…」 ありすがそう言い、ユニは倒れているチェシャ猫の方へと視線をやった。 「…ありす。チェシャ猫を抱えて私の背中に乗るんだ」 「え?」 「逃げるんだ」 「う、うん…」 そう言うとありすは血まみれのチェシャ猫の体を抱きかかえた。 「逃がさないよ」 ありす達の逃げるそぶりに気づき、女王が近づいてきた。 そして、女王がまたアリスのカードをかざす。 すると、あたしの体は動けなくなった。 一角獣のユニも同じようだった。 「これが、女王の力なのか…」 ユニがそう言った。 「二人まとめて、チェシャ猫の後を追うがいい」 女王はそう言い、剣をとりあたし達のもとへと近づいてくる。 なんとか…なんとかしないとみんな殺される… イメージだ。 女王の力を抑えるイメージ。 そうイメージした瞬間、ユニが動けるようになった。 「これは…君の力なのか?ありす」 「うん…でも長くは持ちそうにない。早く、チェシャ猫を連れて逃げて」 「いや、しかし…」 「お願い…ユニ。もう一人の…ほんとうのアリスのもとへ」 「ありす…」 「早く!」 ありすが声を張り上げ、そう叫ぶとユニはチェシャ猫を口にくわえ玉座の間から飛び出して行った。 ユニが逃げたのを見ると、ありすは力つきその場に倒れこんでしまった。 その様子を女王が見下ろしている。
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