第8章:処刑

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噴水広場に着くと、アリスは街を歩く人々に向かって叫んだ。 「みんなぁーーー!!!聞いてーーーー!!!!」 通行人達がアリスの声に振り返った。 「みんな!!私達と一緒に戦ってほしいの!!!」 すると、通行人達はざわざわしだした。 「おい、あれ…アリスじゃないか?」 「ほんとだ。アリスだ。城に幽閉されてたんじゃないのか?」 「そうだよ。今日、処刑されるって話しじゃなかったか?」 「なんで、こんなとこにいるんだ?」 そんな様々な言葉が聞こえてくる。 「お願い!!みんな、私と一緒に戦って!!!」 「戦ってって言われてもなぁ…」 「そうだよなぁ…」 「みんなの力が必要なの!このまま女王の好きにさせておいていいの?」 「女王に逆らったら、殺されんだぜ」 「そうそう、いくらアリスの頼みとはいえなぁ…」 「大丈夫!!私達がこの世界を必ず女王から解放してみせる!!!」 「女王から…」 「だから、私を…いえ、私達を信じてください!!!」 「確かに女王から解放されるなら…」 「アリスなら、ほんとにやってくれるかも…」 そして、いつの間にかアリス達の周りにはすごい人だかりができていた。 「みんなでこの国を…この世界を取り戻しましょう!!」 アリスがそう叫ぶと、一斉に歓声が上がった。 その時、どこからか蹄の音が聞こえてきた。 その音はだんだんと近づいてくる。 すると、人だかりは左右に分かれ道を開けた。 走ってきていたのは、額に角を生やした馬…一角獣だった。 一角獣はアリスの目の前までやってくる。 すると、アリスはあるものに目が行った。 「チェシャ猫!!」 そう、一角獣の口にくわえられた傷だらけのチェシャ猫だ。 「ああ…なんてこと…」 一角獣はチェシャ猫をアリスに渡す。 やはりというか、傷だらけのチェシャ猫はピクリともしない。 「すまない。助けられなかった…あの子も…」 そう言うと一角獣は悔しそうに歯を強く噛みしめた。
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