第1章:終わらない国へようこそ

7/9
前へ
/106ページ
次へ
「仕方ないんじゃよ…仕方ないんじゃ…儂らはそのきまりに従わなければ生きていけんのだ」 「そのきまりって誰が作ってんの?」 「…この国の女王さまじゃ」 「女王…誰それ?」 「こ、これ!めったなこと言うもんじゃない!誰が聞いてるかわかったもんじゃないよ」 「え?」 「この国ではの、女王の悪口を言っただけで処刑されるのじゃ」 「そんな…それだけで?」 「そうじゃ、昔にも一人…」 「昔いたの?女王に逆らった人が」 「あ、いや…なんでもないんじゃ。とにかく気をつけるんじゃぞ」 「わかった…気をつける。じゃあ、あたしそろそろ行きます」 「そうか…気をつけるんじゃぞ」 「はい!オイモさんもまた、会いましょう」 「あぁ、また会えるといいのぉ」 オイモがそう言うと美月はニッコリと笑い、おじぎをして歩きだした。 オイモさんと別れてしばらく、森の中を歩いてると街に出た。 美月はけっこうな距離を歩いて来たため、木に片手をつきもう片方の手を膝につき肩で息をしていた。 「やっと街に出た」 美月は街へと入り、何気なく歩いていた。
/106ページ

最初のコメントを投稿しよう!

80人が本棚に入れています
本棚に追加