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「仕方ないんじゃよ…仕方ないんじゃ…儂らはそのきまりに従わなければ生きていけんのだ」
「そのきまりって誰が作ってんの?」
「…この国の女王さまじゃ」
「女王…誰それ?」
「こ、これ!めったなこと言うもんじゃない!誰が聞いてるかわかったもんじゃないよ」
「え?」
「この国ではの、女王の悪口を言っただけで処刑されるのじゃ」
「そんな…それだけで?」
「そうじゃ、昔にも一人…」
「昔いたの?女王に逆らった人が」
「あ、いや…なんでもないんじゃ。とにかく気をつけるんじゃぞ」
「わかった…気をつける。じゃあ、あたしそろそろ行きます」
「そうか…気をつけるんじゃぞ」
「はい!オイモさんもまた、会いましょう」
「あぁ、また会えるといいのぉ」
オイモがそう言うと美月はニッコリと笑い、おじぎをして歩きだした。
オイモさんと別れてしばらく、森の中を歩いてると街に出た。
美月はけっこうな距離を歩いて来たため、木に片手をつきもう片方の手を膝につき肩で息をしていた。
「やっと街に出た」
美月は街へと入り、何気なく歩いていた。
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