1始まりの調べ

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「よくこんな道を見つけるよな。 普通は入ろうなんて絶対思わねえよ」 「な!そんなこと言うなよ! こちとら、遅刻を回避する為にこの町の地図を見て覚えまくったんだ! その副産物が、数々の近道に繋がったんだよ!」 「副産物じゃなくて、明らかにそっちがメインだろ」 呆れ顔で見ると、清太はむきになって反論してきた。 そもそも、遅刻しないように早起きすればいいと思うんだが。 こんなところで、あーだこーだ言っていてもしょうがないので、あまり気は進まないが、俺達は清太の言う近道とやらに入っていった。 「……いくらなんでも、暗すぎだ」 近道に入って三分後、出てきた感想がそれだった。 暗いし、汚いし、臭い。 いらない3Kだ。 「あとちょっとで裏通りに出るから、我慢してくれよ」 「ゲーム屋に着いたら、なんかゲーム一本俺に買えよ。 それくらいしてもらわんと割に合わん」 「そこまで!?」 道をあまり知らないから、清太に付いていくことしか出来ないせいで、俺はさすがに文句が溜まってきていた。 帰りの道は、せめてマシであることを願うか。 「ん? おい清太、変な臭いがしないか?」 多分近道の出口なのだろうが、少し行った所に光を見つけた。 その時、ふと鼻に浸く妙な臭いを嗅いだ気がした。 「そりゃゴミの臭いだろ? こんな道だから、ゴミがあちこちに散らばってるんだよ」 「そうか、それもそうだな」 特に気にも止めず、俺達は裏通りに向かって、また歩き出す。 途中、水溜まりがあり、やむを得ず踏んで裏通りに出ると、ゲーム屋の目の前だった。
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