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店頭には、様々なポスターや新しいゲームの映像を流しているテレビの液晶が輝いている。
建ち並ぶ他の店舗も、安っぽいネオンで辺りを照らしている。
「……うーん、これもこれも面白そうだなぁ……
だけどお小遣いがなぁ……」
これ以上ないくらい真剣な顔をしながら、提示してある値段と自分の財布を交互に見つめる清太。
どうやら財政は厳しいらしく、財布を閉じて深くため息をついた。
「実に滑稽だ」
おっと、思わず口から本音がこぼれてしまった。
「あぁん?
何がこっけいだぁ?」
ヤンキーかお前は。
眉間にしわを寄せながら歩み寄ってくる清太は、明らかに不機嫌だ。
ほんと、いじっていて飽きないなこいつは。
「いや、全てが。
強いて言うなら、お前の顔だな」
「な、なんだとぉー!
このプリティでチャーミングな清太様のフェイスが滑稽だと!?」
自分でプリティとか言うなよ。
ぶーぶーと文句をたれるそのさまは、実に滑稽だった。
俺が話ながらもにやついているのが分かったせいで、更に清太はプンスカと怒り始める。
「はあー……まあいいや。
とりあえず、中に入ろうぜ?
店先で見てたってむなしいだけだし」
それもそうだな、と相づちを打って俺は足を踏み出す。
だが、その足は一歩踏み出したところで止めることになった。
「?
どうしたんだよ、凛桜?」
ふと、俺達に周りから視線が浴びせられていることに気づいた。
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