1始まりの調べ

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店頭には、様々なポスターや新しいゲームの映像を流しているテレビの液晶が輝いている。 建ち並ぶ他の店舗も、安っぽいネオンで辺りを照らしている。 「……うーん、これもこれも面白そうだなぁ…… だけどお小遣いがなぁ……」 これ以上ないくらい真剣な顔をしながら、提示してある値段と自分の財布を交互に見つめる清太。 どうやら財政は厳しいらしく、財布を閉じて深くため息をついた。 「実に滑稽だ」 おっと、思わず口から本音がこぼれてしまった。 「あぁん? 何がこっけいだぁ?」 ヤンキーかお前は。 眉間にしわを寄せながら歩み寄ってくる清太は、明らかに不機嫌だ。 ほんと、いじっていて飽きないなこいつは。 「いや、全てが。 強いて言うなら、お前の顔だな」 「な、なんだとぉー! このプリティでチャーミングな清太様のフェイスが滑稽だと!?」 自分でプリティとか言うなよ。 ぶーぶーと文句をたれるそのさまは、実に滑稽だった。 俺が話ながらもにやついているのが分かったせいで、更に清太はプンスカと怒り始める。 「はあー……まあいいや。 とりあえず、中に入ろうぜ? 店先で見てたってむなしいだけだし」 それもそうだな、と相づちを打って俺は足を踏み出す。 だが、その足は一歩踏み出したところで止めることになった。 「? どうしたんだよ、凛桜?」 ふと、俺達に周りから視線が浴びせられていることに気づいた。
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